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Tue Dec 2 04:00 PM
外貨mmfの専門家の意見
耐糖能異常の患者522人が、減量.運動.食事などの生活習慣を改善したところ、4年後の糖尿病発生率が58%も低下しました。
フィンランド国立公衆衛生院のグループによるこの研究は、「ニューイングランドージャーナルーオブーメディシン」2001年5月3日号に報告されました。
「耐糖能異常」は、血糖値が高いが、糖尿病には至っていない状態で、糖尿病の高リスク群だ。
研究グループは、フィンランドの40〜65歳の男女で、耐糖能異常と過体重(体重〈キログラム〉を、身長〈メートル〉の2乗で割った体格指数が25以上)がある522人を、「介入群」(265人)と「対照群」(257人)にランダムに分けた。
5項目の個別指導。
「介入群」には、つぎの5項目を目標に、集中的な個別指導をした。
@体重を5%以上減らす。
A摂取エネルギーに占める脂肪の比率を30%未満に下げる。
B摂取エネルギーに占める飽和脂肪酸の比率を10%未満に下げる。
C食物繊維を1000キロカロリーあたり15グラム以上に増やす。
D中程度の運動を1日30分以上する。
食事指導は、最初の1年間は7回、その後は3ヵ月ごとに、栄養士が面接して行った。
運動についても、個別指導を行った。
いっぽう「対照群」には、2ページの食事リーフレットの配布や、運動についての一般的な助言を、年に一回行った。
「介入群」と「対照群」の両方に、年一回集まってもらって血糖値を測定し、糖尿病になったかどうかを確かめた。
その結果、1年後の時点で、「介入群」の体重は平均で4.ニキログラム減っていたのに対して、「対照群」の体重は平均で0.8キログラムしか減らなかった。
4年後の時点で糖尿病になったのは、「介入群」の11%に対して、「対照群」では23%だった。
つまり、糖尿病の発生リスクは、「介入群」のほうが58%低いという結果だった。
「介入群」のうち、上の5項目の目標がひとつも達成できなかった人では、38%が糖尿病になった。
いっぽう、4項目以上を達成できた人では、ひとりも糖尿病にならなかった。
また、最初の1年間で5%の減量に成功した人では、失敗した人と比べて、その後に糖尿病になるリスクが70%も低下した。
こうした結果から研究者らは、耐糖能異常という高リスク群からの糖尿病を、生活習慣の改善によって予防できると結論づけている。
ところで、「肥満」や「運動不足」が糖尿病の危険因子なのは、ほとんど常識です。
にもかかわらず、今回のような研究が、世界の臨床医学全体を代表する同誌に掲載されたのは、意外な感じがします。
この点について、今回の研究を論評した米国国立健康研究所の研究者らは、およそ次のように解説しています。
肥満の人や運動不足の人の糖尿病リスクが高いというデータはこれまでにもあったが、多くは前向きコホート研究などの観察研究によるものだった。
これに対して、肥満の人がじっさいに減量したり、運動不足の人がじっさいに運動をすることで、糖尿病の発生率が下がるかどうかを調べた臨床試験は、これまでスウェーデンと中国からの2つの報告しかない。
しかも、この2つの研究では、「介入群」と「対照群」へのランダムな割り付けが、適切に行われていない。
けっきょく、今回の研究は、適切な無作為割付を行った上で、生活習慣の改善により糖尿病の発生率が下がることを実証した臨床試験としては、世界で最初の報告になるわけです。
また、今回の研究では、「介入群」の体重減少が4.ニキログラムとそれほど大きくなかったにもかかわらず、4年後の糖尿病発生リスクの低下は58%と、ひじょうに大きな効果がありました。
こうした点もふまえて、論評を寄せた研究者らは、今回の研究を「注目すべき成功」と評価しています。
最近筆者は、博士論文の審査員を務める機会がありましたが、これと同じ研究が学位論文として提出されたとしたら、「分かりきった常識を再確認しただけの駄作」として、誤って辛い評価をつけてしまったかも知れません。
常識と思い込んでいても、実証されていないことが多いのに、あらためて驚かされる研究です。
英国の男性4662人を4年間追跡調査したところ、糖尿病の人の死亡率がそうではない人に比べて2.2倍高かったが、糖尿病の診断には至らない正常範囲の高血糖の人でも、死亡率が高くなりました。
英国ケンブリッジ大学のグループによるこの研究は、「英国医学雑誌」2001年1月6日号に報告されました。
この研究では、英国イングランド東部のノーフォーク州に住む男性4662人に対して、1995年から1997年にかけて血液検査を行い、グリコヘモグロビンAlC(HbAlC)の濃度を調べた。
HbAlCは、赤血球のヘモグロビンとグルコースが結びついたもので、検査前1〜3ヵ月の血糖の状態をあらわしている。
この研究では、HbAlCの値にかかわらず、これまでに医師から糖尿病と言われたことのある280人を「糖尿病」と分類し、糖尿病と言われたことはないが、HbAlCが7%以上の8一人を「未診断の糖尿病」と分類した。
それ以外の4421人の「正常」群を、HbA1Cの値によってさらに3グループに分けた(HbAlCが5%未満の2104人、5〜5.4%の2806人、5.5〜6.9%の1611人)。
1999年末まで約4年間の追跡調査を行ったところ、百2人が死亡していた。
その結果、すでに医師から「糖尿病」と言われていた人の死亡率は、それ以外の人と比べて2.2倍高かった。
脳卒中や心臓病をあわせた循環器疾患の死亡率は3.3倍、虚血性心疾患の死亡率は4.2倍だった。
つぎに、「糖尿病」と「未診断の糖尿病」の人を除き、HbAlCが「正常」だった人だけに限って調べた。
すると、この人たちの中でも、HbAlCの値が高くなるほど死亡率は高く、HbAlCが1%上がるごとに、死亡率は46%ずつ高くなるという結果だった。
こうした結果から研究者らは、はっきりした糖尿病の人の死亡率が高いのはこれまでも分かっていたが、糖尿病に該当しない「正常」範囲の人でも、HbAlCの値が高くなるにつれて死亡率が高くなるという可能性を指摘している。
その上で、こうした「正常範囲の高血糖」の人たちが人口の多くを占めることを考えると、はっきりした糖尿病の人たちの治療だけではなく、集団全体のHbAlCの値を下げるような公衆衛生的対策が重要だと議論している。
なおこの研究では、医師から糖尿病の診断を受けていないが、HbAlCが7%以上の人を、「未診断の糖尿病」と分類している。
1999年5月に新しく改定された、日本糖尿病学会による糖尿病の診断基準では、6.5%以上という値が、いくつかの基準のひとつとして示されている。
今回の研究が行われた英国の集団は、もともと、より大規模な国際共同研究の一部として、調査が行われました。
この研究は、がんと栄養の関係を明らかにするために、フランスのリヨンにある世界保健機関(WHO)のがん研究機関が組織した、「前向きコホート」研究です。
この研究は1991年に開始され、ヨーロッパ9力国の42万人を対象にしています。
今回の論文は、この大規模研究からの追跡調査としては、おそらく最初の報告のひとつではないかと思われます。
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